ストレスチェックを健康経営の好機にするのはやり方次第

ストレスチェックでお悩みではありませんか?

多くの職場で行っているストレスチェックは,厚生労働省推奨の職業性ストレス簡易調査票項目にオンラインやチェック用紙を使って回答提出し,後日,レーダーチャートなどで結果のフィードバックを受けるといった方法で行っています。

しかし残念なことに,従業員はストレスチェックに対してあまり意味を感じておらず,回答率も低く,経営者も「義務だから仕方がなく実施している」,「無駄な経費をかけてしまっている」,「なんとかならんものか」というのが本音のようです。

あなたの職場はいかがですか?

過日,労働局の労働基準監督官にお会いしストレスチェックに関する課題をお聞きしました。

監督官も現状を十分把握しており,「ストレスチェックをきっかけにしっかりしたメンタルヘルス対策に取り組めば生産性が高まる,という理解が不十分です。意味のある取組が求められています」といった趣旨をお話されました。

心理の学びと一緒に,その場で,紙で,face to faceで実施するストレスチェックの効果

ストレスチェックのみを行ってもメンタルヘルス対策には何の効果もありません。

例えば,東日本大震災後の被災者に対するこころのケアでは,ストレスチェックのみの実施が禁止されました。

また,ストレスチェックは,心電図のように機器でなければ測定できないといったものではありません。
自己点検のためのアンケートに答えるようなものです。

当たり前のことですが,自分のストレスを一番よく知っているのは自分自身です。

オンラインやアプリで行うストレスチェックは一見機能的に感じられますが,ややもすると自分のストレスが専門家でなければ把握できないというような誤解を生じさせてしまいます。

紙ベースであれば,自分がどのような出来事に対して,どの程度のストレスを感じているのか,その場で確認できます。さらに,自分の心身の様子をふり返りながら回答する傾向が高まりますので,それだけでもストレス対処力が向上すると考えられます。

ストレスチェックは,ストレスに関する適切な知識と,未然にメンタル不調を予防できるようなストレス対処スキルを身につける機会と併せて実施することによってはじめて効果をもたらします。

こうした心理に関する学びの機会を提供することこそが,心理カウンセラーの役割です。

(ストレスチェック制度に対応した心理カウンセラーは,実施資格を持った公認心理師に限られています。臨床心理士等,他の心理専門家は実施することができません)

また,メンタルヘルス不調者への支援で最も難しいことの一つが相談につながりにくいということです。

心理カウンセラーがFace to faceでストレスチェックを実施し,たとえ短い時間であっても対話する機会をもつことで,普段ほとんど縁のない心理カウンセラーが身近な存在となります。

そしてこの機会が,いざという時の早期対応においてとても有効に働くのです。

従業員50名以上の事業所では義務化されているストレスチェック制度ですが,今,50名以下の会社であっても,これを好機ととらえている経営者が増えてきています。

社員総会,安全委員会,社内研修会,福利厚生活動などの機会にストレスチェックを併用したメンタルヘルス対策のための学びを実施しています。

毎月11日はストレスマネジメントの日。

今月は,どうせやるなら意味のあるストレスチェックを実施してもらいたいと願う一日となりました。

ストレスチェックの実施や見直しを検討している方は,ぜひお問合せください。

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