私が毎日楽しみにしているお酒やコーヒー。アルコールやカフェインへの依存症なのでしょうか?
セルフチェックしてみたいと思います。
①このくらいにしよう,というつもりが,それ以上にたくさん,長い時間飲んでしまう。
②減らす,辞める努力をしても成功しない。
③回復に時間がかかる。
④渇望する。強い欲求がある。
⑤仕事や学校,家庭で義務や役割を果たすことができない。
⑥問題や人間関係が悪化しても止められない。
⑦他の楽しみをしなくなる。
⑧身体が危険であっても止めない。
⑨心も身体も悪化しているとわかっているけど止めない。
⑩耐性があるのでますます量が増える。
⑪止めると離脱症状が出るので止めない。
これは,精神疾患の診断のためのマニュアル(DSM)に示されている「物質使用障害(依存症)」の診断基準11項目を,自分のセルフチェックのためにわかりやすく書き直したものです。ゲームやギャンブルなどの行為の依存にも参考になると思います。
精神疾患かどうかの診断は医師が行うものですが,DSMによると2つ以上あてはまると依存症と診断されるようです。いくつかあてはまる項目があれば受診や相談が必要です。
さて,私の場合・・・。
「うーん・・・。ちょいと一杯のつもりでついつい二三杯どころか,五六杯になっているなあ・・・」
「そもそも減らす努力していないもんなー」
「朝コーヒーが切れていると,飲みたくてたまらなくなる。渇望するよなー」
「でも,今のところ問題を起こしてないし,他の楽しみもあるから依存症ではないかなあ・・・」
快楽を得るために摂取しているという点では,アルコールも違法な薬物も同じことです。ただ,脳への影響や中毒性という安全性は大きく異なります。
しかし,同じアルコールであっても快楽を得るために嗜好しているということと,苦しみから逃れるために摂取するということにおいても大きく異なるのではないでしょうか。
日々の生活では何が起こるかわかりません。
時には,自分ではどうすることもできないような出来事に遭遇し,心身が強いストレスで悩み苦しむことだってあるでしょう。その時,それまで楽しみとして嗜んでいたお酒やギャンブルに依って苦しみから逃れるようになることもあるかもしれません。
苦しさから逃れるために依拠(よりどころ)にできるものを求めることは,ごくごく自然なことだと思います。むしろ苦しいからこそ依拠(よりどころ)が必要ですし,それが信頼できる人であれば,苦しみを乗り越える支えとなるのではないでしょうか。
依(たよ)ることができる人が身近に存在しなかったり,また,人に依ることができる心が育っていなかったりすると依存症へと傾いていくのかもしれません。
「依存できないと依存症になる」。私にはそう思えてならないのです。