現代のストレス理論

特集 里山マインド 2

世界が新型コロナ感染症で大変なストレスを感じる日々が続いていますが,コロナ禍はこれまでの生活習慣を一変させてしまうような出来事でもあり,現代は幕末のような新しい時代を迎える前の環境下にあるという人もいます。大きな環境の変化に伴い強いストレスを感じることは自然なことですね。

ところでストレスという言葉は,今から80年程前にハンス・セリエという生理学者がはじめて使いました。もともと,「圧力・緊張・ゆがみ」という物理学の用語でした。

普段私たちは,「ストレスが溜まる」とか「ストレスを解消する」などと言いますが,ストレスには3つの言葉があります。心と身体に力が加わり緊張し,ゆがんでしまうようなストレスの原因となる出来事「ストレッサー」。ストレッサーによって憂うつになったりお腹が痛くなるなど,ゆがんだ様子を表す「ストレス反応」。そして,ゆがみを元に戻す「ストレス対処(コーピング)」です。

ストレスを感じることは,大変な出来事を知らせるサインですから悪いことではありません。また,「悪いことではない」と受け止めることはとても大切です。

現代のストレス理論は,科学的な見方や考え方ですから「里マインド」によるストレスの理解と言えます。しかし「深山マインド」よるストレスの見方や考え方もあり,私たちは大切にしています。

深山マインドによるストレスの見方や考え方は,「科学的」ではありませんが「非科学的」というわけでもありません。「神話的」と言った見方や考え方,そして体験であると言えるかもしれません。

次回,深山マインドや神話的な見方によるストレスマネジメントについて書いてみようと思います。

つづく