
私たちは、出来事そのものよりも、その出来事をどう受け止めたかによって、感じるストレスの大きさが変わります。
心理学では、この受け止め方を「認知的評価」、あるいは単に「認知」と呼びます。
多くの場合、これは無意識のうちに自動的に行われています。
ストレスを強めやすい認知は、「考え方のクセ」「イラショナルビリーフ(非合理的な信念)」とも呼ばれます。
弊社顧問の冨永良喜氏は、これを「こころのつぶやき」という、親しみやすい言葉で表現しました。
自分の「こころのつぶやき」をチェックしてみましょう
次の項目について、最近の自分にどの程度当てはまるかを振り返ってみてください。
とてもそうだ:3点/そうだ:2点/そうでもない:1点/全くちがう:0点
1 まだ起きていないことを、悪い方向に考えがちだ
2 完璧にできないなら、やらない方がいいと思うことがある
3 気分が落ちると、一日全部がダメに感じる
4 不安になると「やっぱり無理だ」と思い込む
5 失敗すると、自分の価値まで下がった気がする
6 できたことより、できなかったことばかり思い出す
7 一度の失敗で「もう終わりだ」と感じる
8 周りがうまくいかないと、自分の責任だと思ってしまう
9 褒め言葉を素直に受け取れない
10 「〜すべき」「〜しなきゃ」が口ぐせになっている
【結果の見方】
•3点の項目:ストレスを感じやすい考え方が強い可能性があります
•1〜2点が中心:大きな問題はなく、自然な範囲といえるでしょう
•0点ばかり:自分の気持ちや状態に気づきにくくなっている可能性もあります
※点数は「良い・悪い」の判断ではなく、気づきのヒントとしてご覧ください。
ストレスを高める「こころのつぶやき」10選
① 恣意的推論(先読みネガティブ)
意味:根拠がないのに、悪い結果を先に予想してしまう
例:「どうせ失敗する」「この先、良いことなんて起きない気がする」「ロクなことないだろう」
② 分極化思考(白黒思考・All or Nothing)
意味:「完璧」か「最悪」かで考えてしまう
例:「100点でなければ意味がない」「少し遅れるくらいなら行かない」
③ マイナス化思考(ネガティブ変換ぐせ)
意味:出来事を自動的に悪く受け取る
例:朝から気分が重いと「今日は最悪な一日だ」と思う、ちょっとしたトラブルで「すべて台無しだ」と思う
④ 感情的決めつけ(気分がすべて、感情=事実思考)
意味:感じた気持ちを、そのまま事実と決めつける
例:不快な気分を感じると「やっぱりダメだ」と考える、不安を感じ相手に「きっと嫌われている」と考える
⑤ レッテル貼り(ネガティブな自己イメージ、ダメ出しラベル)
意味:一部の出来事で、自分や他人を決めつける
例:失敗=「自分はダメな人間だ」と考える、性別や年齢、出身地、印象などで人を判断する
⑥ 誇大視・微小視(ミス拡大・良い所スルー)
意味:欠点は大きく、良い点は小さく見る
例:小さなミスを何日も引きずる、できたことよりできなかったことばかり気になる
⑦ 過度の一般化(1回=全部ダメ思考)
意味:一度の失敗を、すべてに当てはめる
例:「また失敗した。もう何をやっても無理だ」「いつもダメだ」「自分ばっかり怒られる」
⑧ 自己関連づけ(なんでも自分のせい思考)
意味:必要以上に自分の責任だと考える
例:場の雰囲気が悪いと「自分のせいかも」「自分が悪いんだ」と思う
⑨ 選択的抽象化(悪い所ズーム思考)
意味:悪い点だけに注目してしまう
例:1つの注意で、すべて否定された気になる、楽しいことよりもつまらないことばかり話す
⑩ すべき思考(〜すべき縛り)
意味:「こうあるべき」で自分を追い込む
例:つらくても「頑張るべき」と無理をする、やりたいことよりも正しさや義務を優先する
ストレスをためこまないためのセルフケアのコツ
① 事実と解釈を分ける
「何が起きたか」と「どう受け取ったか」を区別します。
② 感じた気持ちを否定しない
不安・怒り・疲れ・ゆううつ。どんな気持ちも自然な反応です。
③ 別の考え方や行動を試す
気持ちを変えようとせず、「少し楽になる視点」や行動を探します。
④ 相談する
ストレスが続くときは、一人で抱え込まず、
信頼できる人や社内外の相談窓口、専門家に相談しましょう。
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