メンタルヘルス対策は個人支援で終わらない―ショートカウンセリングが職場の課題を明らかにした実践事例

shokuba

当社では、ストレスチェックに加えて、職場環境の可視化とショートカウンセリングを組み合わせ、個人と組織の両面から課題を捉えています。

ショートカウンセリングの目的は、従業員のストレス状態や不調の要因を見立て、真に会社として支援が必要な方を早期に発見し、対応につなげることです。

一方で、ショートカウンセリングでは、従業員一人ひとりが職場に対して感じていることを率直に話されます。

そのため、個人の状態だけでなく、組織の課題も浮かび上がってきます。

今回は、健康経営に積極的に取り組んでいる中小企業での事例をご紹介します。

ストレスチェックでは見えなかった「違和感」

日頃から従業員は主体的に働いており、職場の雰囲気も良く、休暇も取りやすい環境でした。

そのため、ストレスチェックや職場環境調査の結果も、例年良好な状態が続いていました。

しかし、ある年の結果を前回と比較したところ、満足感や充実感がやや低下し、「本音を話しにくい」と感じる傾向が見られました。

とはいえ、これはあくまで前回との比較による変化です。

絶対的な数値としては高水準であり、一般的には「問題なし」と判断される結果でした。

ショートカウンセリングで見えてきた現場の声

その後のショートカウンセリングで一人ひとりの話を聞くと、多くの従業員が繁忙期のストレスについて語っていました。

特に多く聞かれたのが、営業部と生産部の間に生じる緊張感です。

営業部は、「お客様にできるだけ早く商品を届けたい」「受注を増やし会社の利益に貢献したい」と考えています。

そのため、「なぜもっと早く対応できないのか」と感じていました。

一方、生産部は、「品質の高い製品を丁寧に届けたい」「会社の信頼を守りたい」と考えています。

そのため、「なぜそこまで急がせるのか」と感じていました。

どちらの部署も、お客様を大切にしたいという思いは同じです。

しかし、その“正しさ”が、結果としてストレスや摩擦を生んでいたのです。

メンタルヘルス対策が経営課題に変わるとき

ショートカウンセリングで得られた一人ひとりの声を全体として整理し、経営陣に報告しました。

すると経営陣も、部署間のコミュニケーションに課題があること自体は認識していました。

ただし、それはあくまで業務上の問題であり、メンタルヘルスとは別のものと捉えていたようです。

しかし実際には、このようなすれ違いは、従業員のストレスやモチベーションの低下に直結します。

放置すれば、不調者の増加や離職といったリスクにもつながりかねません。

課題が可視化されたことで、互いの立場や意図を理解し合う土台が生まれました。

その結果、「自社としてどのような在り方が望ましいのか」を主体的に考える機会につながりました。

あなたの会社では、ストレスチェックの結果を「問題なし」で終わらせていないでしょうか。

一見すると良好に見える組織にも、数値には表れにくい“違和感”が存在していることがあります。

当社では、ストレスチェックに加え、ショートカウンセリングを通じて、個人と組織の両面から課題を可視化します。

「自社の場合はどうだろうか」と感じた方は、すでに重要なサインかもしれません。

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