「自殺予防週間」に寄せて ~ ストレスをありがたく ~

毎月11日はストレスマネジメントの日

毎年9月10日から9月16日は「自殺予防週間」。

朝のニュースで,令和6年度の「自殺対策白書」の概要が報道されました。

それによれば,「昨年(令和5年)の自殺者数は21,837人(令和4年21,881人)であり,男性は2年連続増加し,女性は4年ぶりに減少。小中高生の自殺者数は,513人で,過去最多であった令和4年(514人)と同水準で深刻な状況が続いている」ようです。

困難や苦難,災難の中にあって湧いてくる欲求

自分があまりに価値のない存在のように感じられ,誰もいないひっそりした深い森の中で生命を絶やしてしまいたくなるような欲求...

煩わしさにいらだち,あせり,何かに呑みこまれてしまうような不安や怖さから逃れるために瞬時に生命を消してしまいたくなるような欲求...

誰でも,大なり小なりこうした欲求が湧いたり,気持ちや考えを持ったことが人生に一度くらいはあるかもしれません。

もちろん私にもあります。

しかし,その欲求の奥深くには,本来の自分へ向かおうとする希望や,未熟な万能感から脱皮し大地に根ざした等身大の人生を歩もうという意志が隠れているのかもしれません。

困難 苦難 災難・・・心理学の言葉ではストレスです。

ストレスを生じさせるものには,仕事や人間関係などの日常的な出来事から災害やテロのようなトラウマティックな出来事があります。

しかし,どちらの出来事も自分の存在意義を奪い,“死”という方法によって対処したくなるような危機を生じさせる可能性があります。

これまで何度か書いていますが,こうした心理的な危機状態は,危険と機会(チャンス)が混在しながら次の段階へ成長するための移行期です。

何もかも独りでなんとかしようとするのは,万能感の表れかもしれません。

深遠なこころのはたらきには,想定外の創造力が秘められているかもしれません。

難を無くして,無難な人生も由。

しかし,難を有して有難い人生もまた由ではありませんか?

私たちは心理カウンセリングを通して,移行期を共有し,新たなプロセスの歩みを応援します。

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