日本ストレスマネジメント学会 第22回大会が広島県の比治山大学で開催され,学会副理事長,理事でもある弊社スタッフが参加ました。
大会での一コマをご紹介します。
「被爆者の人生を支えたもの」
比治山大学の森田裕司先生のご発表は,耐えがたいストレスを体験した人が何に支えられて生きてきたのか,私たちがウェルビーイングな人生を送るとはどういうことなのか,深く考えさせられる大変貴重なお話でした。
「焼きただれた腕の皮膚が地面につくと痛いので腕を肩の高さまで上げていないとならなかった。その姿は幽霊そのもの…」
そんな被爆者の体験談は,それがいかに理不尽で圧倒的な災難であったか,また向きあうことなどとうてい困難で,しかし,忘れようとしても忘れられず,避けても避けがたい苦難とともに生き延びてきたのか,想像を絶します。
そうした方々が,何を支えにしてどのような人生を生きていたか…。
森田教授。
「どのような人であっても,座右の銘やモットーなどの生活信条 人とのつながりや助け合いなどの人間関係,家族 道徳心といったものを人生の支えにしている。しかし被爆者は,それに加えて被爆体験へ対処し,生きる意味を見つけることを人生の支えにしていました」。
「被爆者が人生を生き延びるためには多様な支えや考え方を必要とし,それを実行し,生きる意味を見つけてきたと言えるのです。」。
生きる意味をみつけること
それは,体験を語り語りを聞き取るという関係性というの縦糸に,一つひとつの体験という横糸を紡いでいくプロセスそのものなのかもしれません。
語りと語りを聞き取る関係性は,ウェルビーイングな人生をおくる条件のひとつだということを改めて実感した学会となりました。